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南の国のクルタ

暑くなってきました。まだ5月なんだからと、エアコンを入れずに頑張りますが、日中は汗ばむ気温です。これからの季節は、やっぱり南国ルックが快適です。

そこで、今回はインドの定番服、クルタです。クルタは低めのスタンドカラーで短冊開き、脇にはスリット、余計な飾りは何もない、シンプルな長袖シャツです。丈は長めに出来ていて、ボトムの上に出して着るのが正しい着方。伝統的なスタイルではこれにドゥティーという二股式の腰巻きを付けます。近代ではそのかわりにパジャマと呼ばれるギャザーパンツを合わせるスタイルが主流です身幅の広いシャツはスリットのおかげで足裁きもよく、シャツの下から心地よい風が入ります。パンツのウエストはギャザーでゆったりしているので、どこも締め付けることがなく、思い切りラフな組み合わせです。

このゆったりシャツにパンツの組み合わせは、襟やズボンのディティールを変えて、隣国パキスタンや、ネパールにも見られます。パキスタンでは、膝丈のシャツとパンツをよりゆったりさせたスタイルのパンジャブスーツ、ネパールでは膝から下をバイアス裁ちにして細く仕立てたパンツと組み合わせるクルタスルワール。それぞれの地域で、近隣のスタイルが影響し合って、少しずつ違う形の装束が出来上がってきました。

クルタは日常着ですから、男性の普段着としては、丈夫な綿生地が一般的。でもここは服地の宝庫。サリーを扱うお店に行けば、普段使いの綿生地から蝉の羽のような絹織物まで、鮮やかな模様を染め上げた生地であふれています。最近ではポリエステルが重宝されているようですが、その多彩な文様は受け継がれて、この国の文化の多様性が見て取れます。サリーを日常的に着なくなった都会の女性たちは、その美しい薄衣をパンジャブスーツに仕立てて纏います。エキゾティックな顔立ちに、ショールをふわりと巻いたりして、とっても優雅な着こなしです。

さて、シンプルさが信条のクルタ。でも、素材を変えると表情は様々に変化します。そこで今回は生地を選んで、タイプの違う3枚のシャツを仕立ててみました。

紳士物2点。日本のお父さんが抵抗無く着られるように、丈は本物よりちょっと短め。これならGパンや綿パンの上でも大丈夫です。

094_3 最近服地やさんで多く見かけるしじら織り。サッカー地のような凹凸があるので、汗をかいても肌にまとわりつかず、湿度の高い日本の夏にはお勧めの素材です。    091_6   

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  こちらは柔らかい綿ローン。縦畝の変わり織りにぼかしのような染めで、繊細な印象です。白っぽい綿パンと合わせて、夏のパーティーにいかが? 090_5

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こちらは婦人物。インド製の綿ボイルです。どこかの服地やさんで、ワゴンの中から見つけだした掘り出し物です。2㍍しか無いので、袖は七部丈になりました。でも幅は充分だったのでギャザーを寄せてみました。掘り出し物はカットされているので、デザインはいつも行き当たりばったりです。でも、そんな制約が、思わぬ効果につながることもあったりします。 019_3

形は同じでも素材を変えることで、着こなしもTPOも全く違った三つのシャツの出来上がりです。 そよ風に裾をなびかせて、街を闊歩したくなりませんか?

クルタの写真を探して、古いアルバムをめくっていたら、大昔のネパール旅行の写真が出てきました。当時の彼の地の服装や週間が、今更ながら興味深く面白いので、次回はちょっと寄り道、80年代と90年代2度にわたるネパール旅行の写真をアップしてみます。See you soon

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