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浮世絵美術館

慌ただしく過ごすうちにもう3月。空気も少しゆるんできました。このままだと月いちブログになってしまう。もっと心にゆとりが欲しいと願う今日この頃です。だからってわけでもないのですが、最近、美術館に積極的に出かけるようになりました。

ぼんやりとした休日の朝、私は教育テレビをよく見ます。日曜の定番は「日曜美術館」。(先週は番組の途中の津波警報にびっくりでしたが…)

数週間前、この番組で紹介された太田記念美術館に出かけてきました。お目当ては北斎の娘、葛飾応為。浮世絵師として父の仕事を支えた三女お栄。聞くところによると、酒も煙草もやるべらんめえ。仕事の鬼でありながら、父が他界するとあっさり筆を折って、どこかへ消えてしまったという。どうにも格好いいお人だ。「吉原格子先の図」を間近に見たくて、原宿へ。

郭の一角。格子戸の向こうには煌々と灯りがともり、華やかな装束の遊女達。こちら側には提灯を片手に覗き込むお馴染みさんや、冷やかし客。提灯の明かりが、一層外の暗闇を感じさせて、遊女達の華やかさを際立てています。格子越しの囁きや、艶っぽい笑い声が聞こえてきそうです。明暗のコントラストの妙は部屋の温度まで伝えているようでした。

でもやはり、お父さんにはかないません。数点展示されていた富岳三十六景、中でも驚いたのが「駿州江尻」。大風の街道筋、遙か向こうに富士の絶景。何しろこの風がすごい!本当に絵から吹いてきそうな勢いです。いつも思うのですが、日本の意匠には余白が多い。道や空には白い部分が目立ち、植物だって人物だって特徴を捉えて余分な線は加えていない。だからこそ際だつ情景があります。隅々まで緻密に書き込んだ応為の作品と好対照に見えました。人肌の暖かさと空っ風の冷たさ。どんな親子だったのかと興味をそそられます。

下手ながら、デザイン画を描く必要にせまられる仕事柄。上手な絵ってこういうことなんだよなあ~。と今更ながら不得手を呪いつつ、やっぱり日本人の美意識って素晴らしいと感心しきりの一日でした。

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