コスチューム三番地のお仕事

仮縫いのお話

花冷えですねえ。お天気なのに風が冷たーい。今週末は各地でさくら祭りだというのに。今日の最低気温は2.9度。でもまあ、花が長持ちするってこともありますよね。

春にめでたい話と言えば、20代の若い友人の結婚です。6月にウェディングパーティーってことで、目下浮かれ気分で準備中の花嫁さんです。フラ仲間の彼女、パーティーは是非ハワイアンスタイルでとの希望です。ハワイアンレストランで手作りのアットホームなパーティーを企画している様子。できればドレスも自分の手でとのこと、パターン、仮縫いまでの行程を引き受けることにあいなりました。

綿ポリ混紡のハワイ生地は縫製の楽な素材ですが、初めてのドレス作り、難しい物は危険です。出来るだけシンプルで、わかりやすいデザインに決まりました。

仮縫いはシーチングのトワルを組んで本格的なクチュールの行程です。公開できるトワルはめったにないので、ちょっとご紹介します。

230 こちらがそのトワル。

トワルとは、実際に使用する生地を裁断する前に、シーチングなどを使って、出来上がりの形に組み立てたものです。高価な生地を使用するオートクチュールでは一般的な行程です。この段階で、服のシルエットや、サイズなどを調整してから、実際の裁断に入ります。

面倒なようですが、素朴な生成の生地は、かえってデザインを際だたせる場合もあって、なかなか面白い作業でもあります。

コスチューム三番地ではほとんどのケースで、この仮縫いを取り入れています。

さてさて、調整も終えて、縫い代付きでカットした型紙に縫製の手順と注意事項を添えて、あとは彼女のがんばり次第。私の説明にきょとんとしていた顔を思い浮かべるとちょっと不安が残りますが、いけないいけない、余計な手出しは無用です。もし、ちょっとばかりな出来上がりになったとしても、自分の手で最後まで作った方が、きっといい思い出になります。

頑張れ!オー!  彼女がその気になってくれたら、晴れ姿公開しますね!

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緊急告知!

一雨ごとに春が近づいて来ます。さくらの開花もすぐそこ。このめでたい季節にふさわしく、芋洗坂係長CDデビューのお知らせです!

その名も  “オヤジだって恋をする”

気は優しくて芸達者、宴会では花形なれど、業務の方はさっぱりで、いつも上司に叱られる。そんな係長が、新人OLに一目惚れ。おもろうてやがて悲しき、ほろ苦純恋物語です。みんなで踊れるノリノリサンバはダンサー係長の真骨頂。DVDにはマドンナ役の磯山さやかさんをはじめ、イジリー岡田さんなど劇団アンテナコンテナメンバーも総出演、さらにはサンバカーニバルの羽を背負ったお姉さん達まで入り乱れて、そりゃあもう大騒ぎ!踊らにゃそんそん、渾身の大宴会です。係長スーツも今回は派手派手サンババージョンを新調しました。あれこれ悩んだ末、サンバカラーのポップな衣装に仕上がりました。是非是非一度ご覧ください。

早朝6時から真夜中まで、長丁場の撮影は、係長のほんわかした人柄のせいか、終始なごやかムード。DVDには楽しげなメイキング映像も収録されています。

マキシシングルにはその他メタボ親爺の悲哀を歌った“風を浴びたい。”こちらはジプシー・キングスばりの曲調に乗せて、係長のぼやき炸裂です。

2曲とも歌詞だけ読むと間違いなくコミックソングだけれど、そこは 歌うまい王…で優勝経験のある係長のこと、美しいメロディをなかなか格好良く歌い上げています。

真似できそうなサンバの振り付けも魅力の一つ。どうでしょう?今年の花見はオヤジサンバで盛り上がってみるって言うのは?

カラオケバージョンも収録、CD、DVDセット価格税込み¥1500で3月17日発売です!

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芋洗坂係長

あいかわらず梅雨です。そう簡単には終わりません。でも、梅雨って毎年こんな感じでしたっけ?今日は未明から土砂降り、昼までジトジトしていたのに、午後になるとかんかん照り。湿気と熱気の相乗効果。近頃こんな日が多いように思いますが、みなさん、消耗していませんか?梅雨明けまでもう少し、水分補給を忘れずに、滋養を付けて乗り切りましょう!

Photo さて今回は、ファットな体にキュートな笑顔、切れのあるダンスでお馴染みのこの人

芋洗坂係長のスーツのお話です。

昨春、初めてお会いした係長は、見た目の印象通り、穏やかで優しい気働きの人でした。独特の魅力的なプロポーションと、裏腹のダイナミックなダンスはいずれも修練のたまものですが、身につけた窮屈な背広は、係長のキャラクターを際だたせる最後の一筆です。でも、わざとサイズの小さい既製服は肩や背中を圧迫して、いろんな凝りの原因に。そこで、踊れるスーツのオーダーとあいなりました。

リクエストはきつくて動きやすくて、涼しくて、格好悪くて、昭和の香りのするスーツ。難問です。バラバラです。何故テーラーでなく、私にお話をいただいたのか、納得です。さて何から手をつけようか?

昭和と聞いて、イメージするのは、三丁目の夕日でしょうか?それとも寅さん?あるいはバブル?きっと世代によって違います。でも、サラリーマンがドラマの主役だったのは、やっぱり30年代から40年代。とりあえず、たくさんのDVDを借りてみました。植木等の無責任男シリーズ、森繁久彌の駅前シリーズ、ついでに加山雄三の若大将シリーズ。はちゃめちゃでお定まりのスラップスティックは、なかなかの見物。香港シャツ、ソフト帽、七三わけ、今では見かけなくなった姿がたくさん登場します。でも、肝心のスーツに顕著な特徴は見えてきません。強いて言えば、襟が小さめで、刻みの位置が高いかな?パンツは少し太めで、裾はダブルが今より多い?テーラーの職人さんなら、もっと専門的な指摘もあるのでしょうが、当店は衣装全般を扱うお店、ざくっとした印象だけ取り込むことにします。生地はといえば無地かストライプ、これも今と変わりません。オーダーとは関係ないけど、ひとつ気付いたこと。気障な奴の背広はたいていチェックでサイドベンツ。カジュアルで派手な感じということでしょうか?そのステロタイプがちょっと笑えます。

Photo_2 お次は生地探し。軽くて、涼しくて、そして、“できればダサイ縞模様”が、係長の御希望。紳士服地では見つからず、婦人服の服地やさんにありました。ポーラー織りの薄手のウール。濃紺に白のストライプ。まさに軽くて涼しい、縞模様です。ちょっとダサさに欠けますが。

Photo 最後の難題は、きつくて動きやすい。腕を振り回しても圧迫感のないように、後ろ身頃や首周りは、比較的ゆったりと作ります。でも、前身頃は小さくて、ボタンはわざと閉まりません。あえて、貧弱を意識して、肩幅は小さめに。でも動けるようにアームホールは大きめに。涼しいように裏は背抜きで、裏地も芯地も軽い物を使いました。パンツは太くてちょっと短め。頑固な職人さんなら怒ってしまうような、不条理をなんとかクリアして、めでたくスーツの完成です。

Photo_2 鏡の前で、“ダサーイ”とニコニコ顔の係長。喜んでいただけて何より。でも初めてです、格好悪くて喜んでいただくのって。

このあと新たにお作りしたスーツは、もっときつい感じに、でも動きやすくということで、ポリウレタン混のストレッチ素材を使用しました。格好悪さと動き安さはグレードアップしましたが、今度は暑い。一年の三分の二が夏と言い張る係長にとって、これは大問題。ゴールはまだまだ遠いようです。もっと涼しくて、もっと格好悪くて、もっと動きやすいを目指して、係長のスーツはこれからも進化し続けます。

さて、次回は何にしようかな?お天気と相談です。

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