ファブリック ライブラリィ

リバティプリント

8月も残り僅か。過ごしやすい季節がすぐそこまで来ています。美術館や音楽会、景色を楽しむ行楽と、風流な秋の到来です。この時期になると、ショップで見かけるファッションもがらりと趣を変えます。鮮明な夏色から深みのある秋色へ。そこで今回は秋にふさわしい大人のスーツをご紹介します。

大人と言っても範囲は広いですが、今回はハイミセスのお出掛け服。齢70を過ぎてなお精力的に外出している、我が母へのプレゼントです。

Photo 素材はこちら。綿ローンのリバティプリント。紫を帯びたうす茶色にアールヌーボー風の柄を品よく配した美しいプリントです。

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カシュクールタイプのブラウスです。落ち着いた色合いの生地に少し華やかさを加えるため、上前と袖口にラッフルを飾りました。年輩のご婦人にはお勧めのデザインです。ギャザーを寄せたフリルに比べてさりげなく、優しい印象です。

158 ブラウスの合わせにシンクロしたアシメトリー切り替えのフレアースカートです。まっすぐ切り替えてしまうよりお洒落な上、スマートに見えます。キュプラの裏地付き。

Photo_2 リバティプリントは、上質の素材で、肌触りがよく、色合いは繊細でとても美しい。綿ですが仕立て上がりに高級感があります。肩の張らないパーティーなら充分戦えるはず。アトリエのスレンダーなボディには、大分大きすぎますが、ちょっと太めのハイミセスに優しい秋服の出来上がりです。

と、ここでリバティプリントについて、少し触れてみましょう。最近はとてもポピュラーになったリバティプリント。生地屋さんで見かけた人は多いと思います。色とりどり、様々なタイプの柄は、見ているだけで楽しいものです。お値段は少し高めですが、品質にはそれだけの価値があります。薄い生地なのに、洗濯には強いし色落ちもしません。

さて、このリバティ社、そもそもの始まりは生地メーカーではありません。19世紀後半のイギリス、当初は、東洋の輸入品を商う会社として誕生しました。日本その他東洋の国々から仕入れた装飾品や美術品の中にはファブリックも含まれていました。ファブリックはその繊細さゆえ扱いが難しく、やがて英国国内での生産に切り替えられました。東洋のデザインと英国の技術、リバティプリントの始まりです。高価な輸入品に変わって、中流階級の人々が手に入れられる異国情緒。おりしもパリ万博で日本の意匠がヨーロッパに大きな影響を与え、アールヌーボーが美術界を席巻したこの時代、リバティ本店はロンドン一お洒落なスポットとなりました。

リバティプリントにはいくつかのラインがあります。アールヌーボー、ペーズリー、幾何学模様、花柄…130年あまりの時代の移り変わりに、様々な要素を加えて、カテゴリーを増やしてきました。一見派手に感じられるプリントも、何故か馴染みやすいのは、そのルーツに東洋のセンスが感じられるからなんだと、調べてみてひとり納得してしまいました。やっぱりリバティ大好きです!かく言う私のワードローブにもリバティプリントはあります。

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例えばこの2点。大胆な幾何学模様は、タイトなシャツに。

よく見ると日本の着物柄に似ています。個性的な生地はできるだけシンプルなデザインで。

プリント生地は裁断を工夫すれば更なる効果も期待できる、2度おいしい素材です。上質の素材は扱いやすく、ぶきっちょさんでも綺麗に仕上がります。秋の夜長にお裁縫はいかが?

さて次回は、秋のチュニックをご紹介します。Coming soon !

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